AI自動翻訳サービスNTT COTOHAとロゼッタ T4OO : どっちを導入するかの比較

この記事ではAI自動翻訳サービスのNTT COTOHAロゼッタ T4OOについての比較を調査しました。

ソースネクスト社のポケトークなど、最近その機能改善が著しい自動翻訳機ですが、
グローバル化が進む中、ビジネスの利用向けのAI自動翻訳サービスについてクローズアップしてみました。

翻訳サービスですが、みなさんもよくご存じのGoogle翻訳が代表的な例です。ただ、改善されたとはいえ、日本語翻訳にはおかしな表現や誤訳も時々見受けられて、ビジネスでそのまま使うには、まだまだの状況です。

AI自動翻訳サービスは、近年の技術革新が著しいAIの技術を、翻訳の分野に活用したサービスです。最近のAI技術を応用することで、自動翻訳は「完璧」までとは行かなくても、ビジネス利用に耐えるまでに進化しています。
これまで人に頼っていた翻訳の分野に革新的な変化をもたらす、世界的にも今一番注目されている翻訳サービスです。

NTTグループ企業である株式会社みらい翻訳が国立研究開発法人情報通信研究機構と共同開発した、深層学習応用による次世代技術「ニューラル機械翻訳(NMT)技術」など、かなり完成度の高い自動翻訳が実現できるまでに至っています。

用語や表現は幾通りも選択肢があるので、自動翻訳の結果をそのままビジネス文書に使用できるわけでなく、最後は人の手でチェックして修正する必要がありますが、かなりレベルの高い原稿として使えますので、修正作業も簡単です。

翻訳作業の省力化と効率化に大きく貢献する、注目されているAI自動翻訳サービスを2つまとめてみました。

NTTコミュニケーションズ COTOHA

誰もがご存知のNTTコミュニケーションズ株式会社によるAI自動翻訳サービスです。
次世代技術「ニューラル機械翻訳(NMT)」活用のAI翻訳エンジンを使用している、最先端の翻訳サービスです。
こちらは、クラウド上で使用するサービスなので、ダウンロード・インストールする必要はなく、サイト上でアクセスして使用するサービスになります。

今までは多くの人員と時間を要していた翻訳作業を、AIにより正確かつ迅速に行えるサービスで、その精度は「TOEIC960点以上」とされています。日本語⇒英語間の翻訳なら、このサービスに任せてもかなり完成度の高い書類原稿が作成できるため、仕上げ作業も簡単です。

また、使用方法もシンプルで、Word、PowerPoint、Excel、PDFのファイルをドラッグアンドドロップでそのまま翻訳することが可能です。

COTOHAはビジネス利用目的に特化しているため、ビジネスのシーンに適した言語表現に翻訳してくれます。
さらに、独自の専門用語や表現を、システム内に「辞書登録」することで翻訳表現をお好みに合わせてカスタマイズすることも可能です。

対応している言語は最も需要の多い日本語⇔英語と日本語⇔中国語(簡体字)の2言語ですが、オプション追加(後述)で+23言語に対応することもできます。

社外秘の情報や取引先との機密情報なども含まれる書類を扱うのに、クラウド上で使用するサービスで、セキュリティ・安全性は大丈夫なのか不安になると思います。

この問題に対しては以下のように対策されています:

翻訳結果のファイルや辞書は全て暗号化
⇒翻訳した各種資料や内容は暗号化されます

翻訳処理で抽出したテキストログや翻訳結果ファイルは一定期間後に自動削除
⇒翻訳に使用した文字や書面は自動的に削除されます

グローバルIPアドレスの接続端末からのみの利用も可能
⇒指定された場所(パソコンとそのインターネット接続)からしか使用できなくなる設定もできます

IPS/IDSといったウイルスチェックシステムを導入
⇒最先端のウイルス対策で常にチェックされます

COTOHAは、ビジネス需要に特化した、翻訳精度が高く、利用の利便性とセキュリティを兼ね備えたサービスです。
追加オプションで、ビジネス上では一番デリケートな契約書、法務文書などを事前学習させた、分野特化型エンジンも提供しています。

ロゼッタT4OO

あの言語学習教室および教材で有名な「ロゼッタストーン」のロゼッタによるAI自動翻訳サービスです。
こちらもCOTOHAと同じくクラウド上で使用するサービスになります。
そのロゼッタが開発したT4OO(ティーフォーオーオー)ですが、名称は「Traslation for Onsha Only(御社だけの翻訳)」の略です。

このサービスの特長はなんといっても専門用語の多様性です。
翻訳対象分野を2,000の専門分野から選ぶことができ、 その分野に適した専門用語で翻訳することできます。
言語学習の企業ならではの強みであり、他にはない膨大なデータを蓄積・保有していることで可能になります。

さらに、商品名のとおり、利用者専用のデータベースも兼ね備えており、独自の表現・用語を登録してそれを蓄積することで、企業のお好みに合わせて翻訳結果をカスタマイズできる機能で、COTOHAの「辞書登録」機能と類似しています。

一般ビジネス用語だけでなく、業界に合わせた専門用語を必要される方にはT4OOのほうが向いています。

使用方法については、COTOHAと類似している点がPDF・Word・Excel・PowerPointファイルを原文のレイアウトを保ったまま翻訳される機能です。レイアウト調整するのも一手間になりうるので、翻訳に付属して助かる機能です。
また、T4OOにおいては、ウェブサイトのURLを入力するだけで、そのサイトのレイアウトを保ったまま翻訳できます。ウェブが仕事の中心の方には便利な機能です。

基本プランの対応言語は日本語⇔英語のみですが、追加オプションで100言語以上に対応可能です。

T4OOのセキュリティは以下のように対策されています:

翻訳原稿・訳文は一定期間でサーバーから削除され、自動翻訳の学習データとして使用されない
⇒COTOHA同様に翻訳に使用した内容は全て削除され、流用されません

サーバーは全て日本国内に存在していてロゼッタが自社管理
⇒外国や外部企業ではないので、安心できます

ISMS認証取得の設備により不正なアクセスから保護
⇒最先端の設備により情報漏洩を防いでいます

データ通信には暗号化システム(SSL)
⇒クレジットカードなどオンライン決済時と同様の通信システム

T4OOに関しては、なんといっても業界専門用語の多様性が強みです。
通常のビジネス用語に加えて、医薬・化学・機械・IT・法務・金融など、業界専門用語を使用する業界の方にはおすすめです。

AI自動翻訳サービスの利用料金

COTOHAとT4OO共に、クラウド上のサービスなので、利用すること自体にはダウンロードやインストールの手間はかかりません。
サービス使用料として、COTOHAとT4OO共に、言語数や利用者数に応じて様々なプランが用意されていますが、
ここでは基本プランと、使用率の高い言語追加オプションをまとめました。
*価格は全て税別で、10ユーザー迄利用可能の最低プランです

COTOHA
初期費用: 0円
基本月額料金: 80,000円で、2言語(日本語⇔英語、日本語⇔中国語(簡体字)
最低利用期間:11カ月
言語追加オプション:月額+40,000円で+23言語 (日本語⇔11言語 & 英語⇔12言語)

T4OO
初期費用:200,000円
基本月額料金: 30,000円で、1言語(日本語⇔英語)
最低利用期間:12カ月
言語追加オプション:月額+15,000円で+1言語、月額+17,500円で+2言語

1年間利用する費用は、

英語だけで考えると、
COTOHAは960,000円で、T4OOは560,000(初年度)/360,000(2年目以降)円

英語+中国語だと、
COTOHAは960,000円で、T4OOは740,000(初年度)/540,000(2年目以降)円

になります。利用費用に関してはT4OOのほうが抑えられますね。

4. 比較表

T-4OO Cotoha
初期費用(10ユーザーあたり) 200000 0
基本月額料金(10ユーザーあたり) 30,000(日本語⇔英語)1言語 80,000(日本語⇔英語、日本語⇔中国語(簡体字)2言語
言語追加オプション(月額) +1言語 +15,000
+2言語    +17,500
+ 40,000 +23言語(日本語⇔11言語 & 英語⇔12言語)
対応言語 100言語以上 25言語
最低利用期間 12カ月 11カ月
主な特徴 ・2000の専門分野・用語に特化
・もしくは導入企業専用(社内表現など)に特化
・PDF・Word・Excel・PowerPointファイルを原文のレイアウトを保ったまま翻訳
・WebサイトのURLを入力するだけでホームページのレイアウトは崩さず自動翻訳
・ビジネス用語に特化
・TOEIC960点以上の精度 (日本語⇒英語)
・専門用語を辞書登録することで翻訳精度のカスタマイズも可能
・Word、PowerPoint、Excel、PDFのファイルをドラッグアンドドロップでそのまま翻訳可能
セキュリティ 翻訳原稿・訳文は一定期間でサーバーから削除
サーバーは全て日本国内に存在
データ通信には暗号化システム(SSL)
ISMS認証取得の設備により不正なアクセスから保護
翻訳結果のファイルや辞書は全て暗号化
翻訳処理で抽出したテキストログや翻訳結果ファイルは一定期間後に自動削除
グローバルIPアドレスの接続端末からのみの利用も可能
IPS/IDSといったウイルスチェックシステムを導入

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