Google 広告を始める前に 知っておきたい最低限の知識

Google広告をうまく運用するのは簡単ではありませんが、Google広告というプラットフォームは、膨大なユーザーベースに向けた広告を展開したいEコマース企業にとっては、大きな価値があります。ここでは、Google広告に関する基本を解説します。

オンライン広告は、ウェブマーケティングの一環として重要な地位を占めています。フェイスブックやインスタグラムに代表される SNS広告と、検索エンジンやYouTubeなどのウェブコンテンツに表示される広告に分けられます。

Google広告は、ウェブコンテンツに表示する広告の代表格で、Googleという世界最大の検索エンジン利用ユーザーへのアクセスと、世界で23億人のYouTube視聴ユーザーのネットワークに向けた広告を可能にしてくれます。

Google広告のメリット

  1. 圧倒的リーチとターゲティング
    Googleは最大級の検索エンジンであり、YouTubeの普及度も高いため、インターネットを使っているユーザーの多くにリーチできます。また、ユーザー数のパイが大きいので、多彩な属性ターゲティングも可能になります。
  2. 少額から始められる
    広告というと代理店に数百万円を支払うイメージがありますが、Google広告なら数千円からでも掲載可能です。代理店を介す必要はありませんので、小規模のビジネスにも向いています。
  3. ワンストップで運用
    1つのアカウントで、検索エンジンとYouTubeの両方の広告を、ワンストップで運用できます。
  4. 効果のフィードバック
    広告の効果に関するフィードバックを常時モニター可能です。また、それに基づいて広告表示のターゲットを設定出来るので、小回りを利かせた運用が可能です

Google広告を始める前に

Google広告はメリットが多い反面、運用に際しては複雑なインターフェースがあり、それを理解するにも時間がかかります。理解が不十分なまま運用を開始すると、ターゲットを広げすぎたまま、効果につながらない広告出費を続けることになります。

Googleは、広告主が設定した様々な条件に基づき広告を効率よく配信してくれます。ただ、この際に忘れてはならないのが、広告主の利益と相反する“Googleの広告収入”という要素が加味されることです。条件の設定方法を理解して設定しないと、広告の無駄打ちが発生して、自分が想定した広告効果を上げる前に、広告予算を使い切ってしまうケースに繋がります。

自分でGoogle広告を運用するにしろ、専門家に頼むにしろ、無駄な出費をしない為には、最低限の基本をまずは理解する必要があります。

Google広告の種類

Google広告がとくに魅力的なのは、大きく分けて3つの異なる方法で消費者にアプローチできることです。

Googleの最大の強みである検索エンジンを利用した、リスティング広告、Googleが世界中のウェブサイトやアプリ上に保有する広告スペースに画像広告を表示する、ディスプレイ広告と、Googleの持つ動画配信プラットフォームである、YouTubeの広告スペースへ配信する動画広告があります。

 

  1. リスティング広告

消費者が検索エンジンを使うときは、SNSとは違って、特定の目的をもっていることが一般的です。検索目的に関連した広告を検索結果画面に表示することで、消費者へメッセージを届けて、行動につなげるのがリスティング広告です。

抱えている疑問や問題の解決策を得たり、何らかの商品やサービスを見つけたりなどの、目的を持った検索行動に対して的確な広告を表示できるため、Googleの検索機能は、多くのビジネスにとって強力なマーケティン手段となります。

Googleが提供してくれるデータや、広告フィードバックの分析に基づき、広告の掲載方法を修正して、広告配信ターゲットを絞り込むことができるため、クリックや購入といった行動につなげる目的には効果的です。

 

  1. ディスプレイ広告(Googleディスプレイネットワーク)

これは、ユーザーがWEBサイトを閲覧したり、アプリを使ったり、動画を見たりする際に現れる、テキストや画像、動画のバナーです。

ディスプレイ広告は、検索エンジンの検索結果と関係のない人にもアプローチできる選択肢です。ニュースサイトなど見てみれば、トップやサイドバー、などに表示されている画像広告が、ディスプレイ広告です。

Googleによるディスプレイネットワークは、全世界のインターネットユーザーの90%にリーチします。広い範囲に、回数も多く表示されるので商品やサービスの認知を広める目的に効果的です。

 

  1. 動画広告(YouTube広告)

Google広告のプラットフォームを利用すると、Googleが所有しているYouTubeにも広告が掲載できます。YouTubeは単体でも、Googleとフェイスブックに次いで世界第3位のビジター数を誇ります。1日で10億時間以上の動画がユーザーによってYouTubeで再生されています。ここに動画広告を配信することで、潜在的な顧客を引きつけるチャンスを生み出します。動画でのアピールが効果的な商品やサービスには威力を発揮します。

オークションの仕組み

Google広告は、システム内のオークションという仕組みにより、その単価が入札により決定されるとしています。入札金額を手動で設定する方法とシステムに任せる自動入札を選択できますが、自動入札を選択する例が多いようです。自動入札金額の決定や、落札者の決定はすべてがシステム内で自動的に行われ、その仕組みの詳細は公表されていません。仕組みの一般的な説明は以下の通りです。

広告主は、検索結果ページのポジションやランキングを得るために、入札をして競い合います。キーワードに対して入札額の設定によって、ほかの入札者に対する順位が決まります。ただし、最高額の入札者が一番いいポジションを得るとは限りません。ここでは関連性も重要なファクターとなります。
Googleは検索ユーザーにとって有益で関連性の高い広告を表示したいと考えており、広告主は自身のビジネスや商品に関連したワードを検索するユーザーに対して広告を表示したいと考えているはずです。そこでGoogleは、広告主の広告コピーやフォーマットとキーワードとの関連性、広告によりビジターを送り出す先のWEBサイトなど、さまざまなファクターによって広告ランクを割り当てます。
広告主の側からすると、自身のビジネスと購入したキーワードの関係性が強いほど、また広告メッセージとユーザーが検索するワードや遷移先のページの関連性が高いほど、トラフィックとランクを得るためにかかる費用は安くなります。

キーワード

Google 広告において、キーワードの設定は非常に重要です。広告枠はキーワードとの関連性に応じて入札されます。キーワード設定に当たって、リスティング広告においては完全一致、フレーズ一致、部分一致のいずれかを広告主が選択することで、検索ワードへの入札範囲を設定できます。

完全一致では、検索ワードとキーワードが完全に一致した場合だけ入札されますが、部分一致とした場合は、検索ワードの一部にキーワードが含まれるか、検索ワードとの関連性が高いと判断される場合に入札されるので、入札の範囲が広くなります。

広告対象のサイト内のコンテンツに関連性が高いと判断されて、広告が表示されるケースもあり、なぜ表示されたのか疑問な場合や、同業他社ブランド名や製品名での検索画面に表示されてしまう場合もあります。

購入などのアクションに結び付く可能性のある場合に表示させるのであれば、キーワードを絞り込んで完全一致とするとか、広く表示させて商品やサービスの認知を重視するのであれば、多少でも関連性のある場合に表示させる部分一致に設定する等、目的に応じた設定が必要です。

予算の設定

Google広告の広告費の予算は日額の設定が可能ですが目安となっています、広告費の支払いは、発生した金額をクレジットカードで自動的に支払う自動支払い方式となっているため、数日後に気が付いたら大幅に総予算を超えていたということがあります。
「自動化ルール」という設定を使って、予算の上限を設定しておくことをお勧めします。これを設定しておけば、広告費が上限に達したら広告配信が一時停止の状態になり、それ以上の費用は発生しません。

Google広告を始める

ここまでの基本的なポイントを理解したら、実際に広告を運用しながらノウハウを身に着けていきましょう。

まず、何を求めるのか、広告の目的を決めましょう。サイト訪問や商品購入のアクション目的か、ブランド名や商品を広く表示させて認知してもらう目的なのか、動画を使って商品を紹介したいなどの目的を決定します。

次に目的に応じた予算を設定します。いきなり金額を大きくせずに、最初は少額で効果をみながら見直します。

目的に合った広告を選定して、キーワードやターゲットを設定して、広告を有効にします。

その後定期的に広告表示の結果をチェックして、設定を変更しながら最適化を図ります。この間Googleからキーワード追加などの改善提案が多く来ますが、鵜吞みにせずに自分の考えで最適化を模索することがノウハウに繋がります。

Google広告の管理者を雇うときの注意点

多くの事業者は、自分でGoogle広告をうまく運用するために勉強したり管理したりする時間が持てず、有料広告の専門家や代理店にアウトソーシングしています。

 

広告運用のアウトソーシングの際には、次のことに気をつけましょう。

  • 広告の目的を明確にする:広告を必要としているのは事業者自身であり、ビジネスの状況に応じた広告の目的をまず考える必要があります。目的が明確でない広告は無駄打ちに繋がります。
  • 専門性の高い業者を検討する:代理店の中には、広告結果の分析が十分行えない業者や、報告が不十分で専門用語で煙に巻くという対応の業者もいます。業者の能力を見極めて、専門性の高い業者を選定しましょう。
  • 丸投げや、長期契約をしない:日々の業務の成果をモニターして、未達成の場合は、解約できるようにするべきです。
  • アカウント、キャンペーン、業務に関するオーナーシップ:広告アカウントの所有者は業者ではなく、広告主自身にします。広告主が自由にアカウントにアクセスして、結果をモニターできる体制を取るべきです。これに応じない業者は、業務を依頼する価値がありません。
  • ゴールや期待値の調整:代理店が提案する広告は、その内容、予算の算出根拠、ROASの期待値、実施にかかるまでの時間などを、実行前にきちんと説明させて、納得しておきましょう。広告の実施は事業計画の一部を占める重要な経営判断です。
  • 料金体系を理解する:アウトソーシングに当たっては、一般的には、固定料金か、最低額込みの広告費用のパーセンテージに基づく料金を支払います。パーセンテージ手数料には、広告費を多く使わせれば、代理店の利益が増大するという力学が働きます。

結論

Google広告をうまく運用するのは簡単ではありませんが、Google広告というプラットフォームは、ユーザーの検索意図、多様なターゲティング、プレースメントなどに基づいて、膨大なユーザーベースに向けた広告を展開したいEコマース企業にとっては、大きな価値があります。

Google広告を自分で運用するためであれ、代理店や専門家に依頼するのであれ、プラットフォームとオプションについて理解することは、正しい方向へ進むための大きな一歩です。

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